子供を持った親にとって、受けさせる教育に関しては後悔したくないですよね。
特に母親ですと、子供と接している時間が多いせいか、こうした悩みが頭を離れない事でしょう。
同じ教育を受けさせるなら、今後生きて行く上で出来る限り後悔のない教育を受けさせてあげたいと思うはずです。
そのような子育てに関心の高い親御さん達に、近年「モンテッソーリ教育」が受け入れられているようです。
ですが、実際にモンテッソーリ教育を実践された方の感想はどうだったのでしょうか。
後悔したことなどはなかったでしょうか?
一番知りたいことですが、面と向かってはなかなか聞きにくいことですよね。
ここでは、実際にモンテッソーリ教育を実践している幼稚園や学校などに通わせた方の反応などを見ていきたいと思います。
モンテッソーリ教育で後悔した具体例は?
実際にモンテッソーリ教育を受けてみたけれど後悔している…。そんな方もいらっしゃるようです。
そこで、モンテッソーリ教育のどのようなことで後悔したのか、実体験を元にみていきましょう。
ハズレのモンテッソーリ幼稚園で後悔した方
まずは最初の方です。
この方は、お子さんが幼稚園に入るときに「これからの時代はモンテッソーリ教育が良い」といったフワッとした情報しか知らない状態でした。
そして、ご自分がお子さんの入園先を探している時にたまたまお付き合いのあったママ友から、モンテッソーリ教育を実践している幼稚園があることを知ったそうです。
早速教えてもらった幼稚園を調べてみると、都合の良いことに偶然ご自宅に近いところでした。
お子さんを入園させたいと思ったその方は、実際に幼稚園に見学にも行きました。
その際に、特に悪い印象もなかったので、そのまま入園させたそうです。
その方自身、その時はモンテッソーリの事はあまり詳しいところまで関心がなかったそうです。
ですが、入園をきっかけにモンテッソーリ教育に触れていく中で次第に関心が高まっていったようです。
モンテッソーリ教育を受けて、世界的に大成した人々のことにも興味がわいてきました。
そして、出版されている本やネットなどで深く掘り下げて理解していくうちに益々モンテッソーリ教育に共鳴するようになったそうです。
ですが、知れば知るほど今通わせている幼稚園の実態がモンテッソーリ教育とはかけ離れている部分が目に付き始めたようでした。
モンテッソーリ教育って、こんな感じとは違うハズなのに…
始めは気にならなかった問題点が、次々浮かんできてしまいました。
現状、お子さんの成長に関して大きな問題点はないようですが、ここまで本来の趣旨と違っていたことに後悔しているようです。
モンテッソーリ幼稚園に通わせる事へのプレッシャー
次の方は、ご自分へのプレッシャーから後悔を感じてしまった方のお話です。
この方も、すでにモンテッソーリ教育の幼稚園にお子さんを通わせていました。
かねてから、ご自分が関心のあったモンテッソーリ教育を実践している幼稚園に通わせたかったらしいです。
念願かなっていざ通わせて数か月が経ったころ、最初はまったく予想もしなかったことで悩むようになってしまったそうです。
その悩みというのは、同じ幼稚園に通わせている他の親御さん達に気おくれしてしまうといった事でした。
幼稚園では、思っていた以上に母親も幼稚園に関わることが多く、次第に上手にこなせない自分の不器用さに自信がなくなってしまったらしいです。
また、その方が住んでいる所にはモンテッソーリ幼稚園が少なく、わりと広範囲から子供を通わせている方が多かったそうです。
そのためか、見るからに生活レベルが高そうな方も多く、ご自分の家庭環境との差も気になりだしました。
その他にも、お子さんのそばにいてあげられる時間の違いも気になっていったそうです。
子供の事は大切に思っているけれど、同じ様に出来ない自分が不器用なだけなのではないかと、だんだん責める気持ちが強くなってしまったらしいです。
こんなに気苦労するなら、普通の幼稚園の方が良かったのではないか…
自分を責める一方で、お子さんは幼稚園に慣れてきて楽しそうに通っている。
母親としては、とても複雑な気持ちになってしまうとの事でした。
モンテッソーリ幼稚園での姿と自宅での姿の違いに戸惑ってしまう
次は、自宅で過ごすお子さんの姿に不安を覚えてしまった方のお話です。
モンテッソーリ教育を行っている施設には、子供たちの自主性を伸ばすために魅力的な遊び道具や教材がたくさんあります。
そして、それらを使ってのびのび遊べる環境が最初から備わっています。
幼稚園では豊富に揃っている遊び道具や教材も、自宅となるとそこまでは揃えられないでしょう。
また、それらで遊ぶ時間も、幼稚園とは違いずっと続けさせてあげることは難しいことです。
そうした日常に慣れてしまったのか、幼稚園に行ってる間はとても楽しそうにしているそうです。
一方、自宅で過ごしている時は、なんだかつまらなそうにしている時が増えたといいます。
その方は、お子さんの過ごし方の違いにあまりにも差があるので、どう接してよいか分からなくなってしまったとのことです。
お子さんのつまらなそうな顔をみるのは、辛いものがありますよね。
そうした気持ちからか、次第にご自分の方針も揺らいできてしまったそうです。
ちゃんと育っているのだろうか…
そんな漠然とした気持ちが消えなくなって、モンテッソーリを選んだことが本当に良かった事なのか不安になってしまったらしいです。
活発な子は合わない??モンテッソーリ教育が窮屈になってしまうタイプ
次の方は、モンテッソーリ教育とお子さんの性格が合わなかった方のお話です。
モンテッソーリ幼稚園には「おしごと」の時間というものがあり、自分で好きなことを決めて黙々とこなしていく時間があります。
比較的おとなしいお子さんは、こうした行動もすんなり受け入れて過ごすことができます。
ですが、お子さんの性格によっては、窮屈に感じて馴染めないタイプの子もたくさんいます。
どちらかというと、外で活発に運動をしたい性格のお子さんの場合は、こうした「おしごと」というのは苦痛になってしまっているようです。
活発な子と一言にいっても様々で、今日は外でたくさん遊びたいけれど次の日はしっかり「おしごと」の時間に熱中している場合もあるので、一概には言い切れません。
ただ、その方のお子さんはとても苦痛に感じてしまうタイプだったようです。
しばらくの間は様子を見ていたらしいですが、性格的に合わないのにこのまま通わせるのは良くないだろうとの判断で、別の幼稚園に変えたとの事です。
わがままになってしまうのかと心配なモンテッソーリ教育
次の方は、自主性を育てる環境のあまり、わがままになってしまうのでは…?と不安になってしまった方のお話です。
モンテッソーリの方針とは、好きなことを自分の好きなだけやり続けることを通して、その子の自主性を伸ばすやり方です。
極端な言い方ですが、この事だけに限ってみると「嫌いな事はやらない」また「嫌いな事はやりたくない」となってしまいます。
ですが、時にはやりたくない事でも我慢してやらなければいけない事もたくさんありますよね。
その方は、お子さんががそうした偏った考えになってしまいそうだと不安に思えてきたそうです。
トータルで考えたらモンテッソーリ教育はメリットがたくさんあります。
ですが、ひとつひとつに焦点をあてた見方をすると迷ってしまう時がある。
こうした迷いがある中で、しつけをする時に迷いが生じてしまうとの悩みもありました。
この辺りは非常にバランスが難しい問題だと思います。
自主性を伸ばすことの大切さとしつけのために言うことの難しさ、この二つを冷静に考える時が増えたとのことでした。
モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園以外での後悔
ここまでは、モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園での体験談をお話ししました。
そこでここからは、幼稚園以外での後悔をみていきましょう。
周囲に馴染めていない我が子を見るたびに後悔してしまう
次の方は、幼稚園ではモンテッソーリに触れていましたが、その後普通の小学校に進学した方のお話です。
幼稚園では、モンテッソーリだったこともあり、自分で考えたり自分で決めたことをやり続けることが当たり前でした。
幼稚園の他の子供達も同じように過ごしていたので、特に周囲と違っているといった印象も受けずにいたそうです。
ですが、進学した小学校が普通の小学校だったせいか、徐々に自分の子供が周囲と馴染めていないように感じてきたようでした。
日本の学校での生活は、どちらかというと集団行動で過ごす比重が多いですよね。
そうした中で、子供同士で大きなトラブルがあったわけではないのに、なんだか自分の子だけ浮いているように見えてしまう。
集団行動が苦手になってしまっているのではないか、子供がストレスを感じているのではないかと、心配になる日が増えてしまったようです。
日本の教育方針とモンテッソーリ相性が悪そうだけど後悔しない?
次の方は、小学校低学年のお子さんをモンテッソーリ教育の学校に通わせている方のお話です。
自主性や集中力が養われるのは良いことだけれど、本来日本の社会で必要とされる協調性が欠けてしまうのではないか…
そうしたことを心配されている方もいらっしゃいました。
始めは、これからの時代、世界にも通用する考え方のできる大人になってほしいとの想いから、モンテッソーリ教育を受けさせたいと思ったそうです。
モンテッソーリ教育のメリットに「好きなことを黙々とこなせるようになる」といった事があります。
ですが、メリットである反面デメリットにもなってしまう恐れがあります。
「自分の好きなことは頑張り続けられるけれど、周囲に関心を持てなくなってしまう」
そうしたところがデメリットになってしまいます。
そうなった時に実際の生活ではどうでしょうか。
今はモンテッソーリ教育がある環境の中ですから、メリットである自主性を最大限伸ばすことが出来ますが、今後の生活ではどうでしょうか。
進学した後や、就職してからは、どうなっているでしょうか。
自主性は育てられるが、かたや協調性が育たないかもしれないといった心配が増える要因になるでしょう。
確かに世界的に素晴らしい人々を生み出したモンテッソーリ教育ですが、まだまだ日本で生きて行くには協調性を育てることはとても重要だと思います。
まったく協調性がないとなると、とても生きにくいのではないでしょうか。
協調性が育ちにくいと感じられてしまうのは、とでも不安なことですよね。
モンテッソーリ教育で後悔しないための対策
やはりモンテッソーリ教育で後悔しないための対策として大切なことは、綿密な情報収集ではないでしょうか。
特に、実際にお子さんを通わせている、または通わせていた方のお話を直接聞くことが出来ると、とても安心できると思います。
細かい悩み事というのは、通い始めてからポツポツと出てくるものです。
事前に調べた費用の他に、出費がかさんでしまうといったこともあるかもしれません。
また、思うように近くに理想の施設があるとも限りません。
そうした時には、どのような方法でこどもにモンテッソーリ教育を受けさせるかなど、考える事も必要になってくるでしょう。
今は、調べるとオンラインでも教育を受けられるところもあるようです。
そうしたことも含めて、一度幅広く検討するのも良いかと思います。
自分の周囲にもモンテッソーリを理解してもらう
モンテッソーリ教育には、周りの人の寛容さが必要になってきます。
子供の自主性を伸ばすということは、周囲の大人たちが出来るまで待ってあげるというスタンスが必要です。
モンテッソーリの指導者ならば、そうしたことも心得ていて自然にできることですが、家族となると難しい部分がでてきます。
ついつい強要するような言葉で叱ってしまったりといったことは、身近に居る大人ならよくある事だと思います。
そうすると、子供はきっと、まったく反対の事を言われているようで混乱してしまうでしょう。
せっかくモンテッソーリ教育に触れさせる事ができても、子供を混乱させてしまう頻度が増えたら意味がありません。
モンテッソーリに関心がある親御さんご自身でしたら理解できることでも、関心の薄い周囲の人は違います。
理解してもらうには、根気がいる事です。
ですが、ご自身だけではなく、ご主人や一緒に暮らしている方、普段よく接する親戚の方などにも理解されることは必要なことだと思います。
モンテッソーリで大切なのは質の高い指導者とのめぐりあわせ
素晴らしい教育のモンテッソーリですが、それを教えている指導者の方はどうでしょうか。
モンテッソーリ教育の指導者になるためには、研修や実習などでカリキュラムを修了しないとなることができません。
日本でのモンテッソーリ教育は、幅広く普及しているとは言い難い状態です。
色々な方のお話を聞いていますと、まだまだ日本ではモンテッソーリの教育機関も少ない上に、質の高い指導者の方もなかなかおられないようです。
それに、どんなに研修や実習などでカリキュラムを受けても、教育の現場ではひとりひとりの裁量がかなり影響してきます。
モンテッソーリ教育は、素晴らしい指導者にめぐりあえると、子供は飛躍的に伸びるといいます。
言い換えると、同じ教育を受けても、指導者次第でかなりムラのある教育になってしまうという事です。
今の日本のモンテッソーリに関わる指導者では、絶対数が少ない以上、本当に良い指導者にめぐりあうことは非常に難しいと言えるでしょう。
そのため、これから通わせようとしているのでしたら、やはりあらかじめ念入りに情報収集し、対策してからの方が良いでしょう。
後悔しないために最終的には自分の目で
子供のためにモンテッソーリに通わせたい親御さんが増えている一方、教える環境や指導者の数はまだまだ足りないのが現状のようです。
そのような状態だと、お子さんを行かせたいと思う幼稚園や学校が見つかったとしても、質の高い指導者がいなかったらどうしようかと心配にもなります。
それでも、どうせ通わせるのでしたら納得したうえで通わせたいですよね。
そのような時は、どんどん積極的に見学に行って、自分の目で確かめてみましょう。
教えてくれた人の話や、ネットなどで調べた情報では気が付かなかったことを確認できるかもしれません。
それに、事前に指導者の方と実際に会話をすることも、とても大切だと思います。
会話をすることによって、指導者がどのくらい信頼できるかを判断できます。
なにより、自分が確かめ、しっかり対策をしたという事実が大きな安心を生むことでしょう。
おうちでモンテッソーリ教育に取り組みたい!という方は、こちらの記事もどうぞ↓
まとめ
- モンテッソーリ教育を受けて後悔した方もいる
- モンテッソーリ教育にはメリット、デメリットがある
- 後悔を減らしたいなら、情報収集と自分の目で見る
- 自分も理解を深め、それを周囲にも伝えて理解者をつくる
結局のところ、どのような教育だとしてもメリット、デメリットは必ずあります。
そして、どのような方針で教育をしていくにしても、何が正解なのかはすぐには分かりません。
子供が将来「自分の人生は幸せだった」と本気で思えるようになるまで、誰にも分からない事だと思います。
親御さんが、確固たる方針をもって育てることは決して悪いことではありません。
ですが、考えすぎて悩んだり周囲の話や流行りに流されてしまうと、その方が子供には悪影響を及ぼしてしまいます。
幼少期の子供というのは、親御さんが思う以上に繊細だったりしますからね。
ですので、何のための教育方針なのか、なぜ自分はその方針で育てたいのか、その辺りを冷静にじっくり考えてからでも遅くはありません。
そして、親御さんご自身もモンテッソーリだけに限らずどのような教育方針でも、いちど深く掘り下げて理解を深めることがとても大切なことだと思います。
納得いくまで理解ができた方針ならば、後悔することも少ないでしょう。
昨今、様々な分野が早期教育に焦点をあてていますが、教育というのは短期間のものではありません。
焦らずにゆっくり決めていくのも、良いことではないでしょうか。
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