みなさん、「ゲジゲジ」と聞いてどのような印象をお持ちでしょうか?
あのたくさんの足があるゲジゲジ、見た目から好きな人はいないかと思います。
しかも、そのゲジゲジが家の中で出たときは…悲鳴が出そうです。
私は家でも見たことはありますが、職場でも何度も見たことがあり、何度も悲鳴をあげたことがあります。見た目からして私は苦手で、このゲジゲジが一匹以上いるとは、とてもではないですが、考えたくはないものです…。
家の中で出るといえば、ゴキブリが頭に浮かぶ方もいらっしゃるかと思いますが、ゴキブリは一匹いたら他にも100匹以上はいるといわれていますよね。
では、ゲジゲジが一匹いたら他はどうでしょう?
100匹いるとは到底思いたくないものですよね。
ここで、ゲジゲジとはどういう虫なのか、また一匹いたらどうなのかなど、いろいろと詳しく見ていきましょう。
ゲジゲジが一匹いたら
まず初めに、ゲジゲジについてみていきましょう。
ゲジゲジと呼ばれていますが、本当は「ゲジ」と言います。
正式名称は「ゲジ目ゲジ科ゲジ属」という、名前をもすごくインパクトがありますね。
日本には、ゲジとオオゲジの2種類が全国に生息しています。
また、「益虫」と呼ばれる虫がいるのはご存じですか?
益虫というのはその名の通り、「人間の生活に直接、または間接に利益をもたらす昆虫」です。
「生産物が利用できる」カイコ・ミツバチや「薬用」になる昆虫と、「害虫の捕食、花粉の媒介など」のかたちで利益をもたらすハチ・カマキリなどがいます。
その中に「ゲジゲジ」も含まれています。
ゲジゲジは主に、昆虫などの小さな節足動物を餌としている「肉食動物」です。
節足動物とはここでは、クモやムカデなどのことを言います。
走ることがとても速く、長い脚の鞭状となっている先端部分の節で獲物を巻き付け、複数の捕まえながら移動ができると言われており、これを「投げ縄」と呼ぶようです。
すごいですね、投げ縄みたいにして捕獲するなんて。
ムカデと同様で、顎肢と呼ばれる毒腺のある捕食用の顎を持っています。
これを使って捕まえた獲物に毒を注入し麻痺をさせるのですが、ムカデよりかは弱く、「挟む」というより「上から突き刺す」という動作のほうが得意です。
またゲジゲジは孵化したばかりの幼体と見かける成体とでは、足の本数が違います。
幼体のころは、4対の8本であることが確認されています。
成長に伴い、何度も何度も脱皮を繰り返し、繰り返すことで足の数も増えていきます。
成体になると15対の30本となります。
ゲジゲジに似ている虫
ゲジゲジに似ている虫として、「ムカデ」や「ヤスデ」がいます。
見分け方として、簡単に見ていきましょう
まず「ムカデ」ですが、「ヤスデ」とよく見間違えられます。
1番の違いは、ムカデは1つ節に1対しか足はありません。
「百足」と書くように多くの節を持つムカデですが、オオムカデで21対以上、もっと多い種類のムカデでは170対以上持つものもいます。
草むらや落ち葉に生息していて、餌を求めて家の中へ侵入してくることもあります。
餌は、ゲジゲジと同じく、小さな昆虫やクモ、またミミズなども食べます。
活発に活動するのは春~秋で、冬は冬眠をしています。
ムカデは攻撃性がとても強いのですが、目が弱いです。
手あたり次第攻撃するため、噛まれてしまうとひどく腫れ、とても強い痛みを伴うため、見つけた場合は決して触れないようにしましょう。
ムカデも一匹いたら、近くに数匹いるというところは見たことはないのですが、集団で行動をしていないように見えますね。
夏の暑い時期や、少し涼しくなった夜などに、家の中でムカデをよく見かけることがあります。
「餌を探しに来ている」といえど、噛まれたくはないですよね。数年前に私の兄がムカデに噛まれ、すごく腫れていたのを見たことがあり、とても痛々しいことになっていました。
次に「ヤスデ」です。
ヤスデは「長いダンゴムシ」のような見た目をしています。
しかもダンゴムシのように、刺激を与えると丸くなるんです。
これは、虫に興味を持ち始めたお子さんには、「大きくて長いダンゴムシだ!」と嬉しくなってしまいますね。
毒はないのですが、身の危険を感じた際に出す刺激臭に触れてしまうと、痛みを伴うため、注意をしましょう。
活動時期は、5月末~7月で特に梅雨明けに多く発生をします。
森林の周辺や落ち葉や石の下など、湿気の多いところに生息しています。
ヤスデも一匹いたら他にたくさんいるということはないように思えます。
上の子が男の子なのですが、今ダンゴムシが大好きで見つけるたびに捕まえています。なので、ヤスデを見たときは、すぐに触ってしまいそうでとても心配です。今の時期、湿気が多く梅雨なのもあり、すぐに触ってしまわないように、細心の注意をしようと思いました。
ムカデやヤスデも合わせて見てきましたが、「一匹いたら他の個体はすぐに見つけることはない」と思いませんか?
ゴキブリのような、100匹以上いるという心配はここまででは、内容に思えますね。
ゲジゲジが逃げるとき
みなさん、ゲジゲジを見つけたときに、足が取れて落ちていることを見たことはありませんか?
または、ゲジゲジはいないけれど、一匹いたのではないかと思えるような、「足だけ」が落ちているなど。
これは、ゲジゲジが自ら切った足なのです。
ゲジゲジは、鳥などに襲われた際に、足を付け根から切ります。
この足は、切れてもしばらくは動くため、鳥などはそちらに気を取られてしまうので、そのすきに逃げるというわけです。
なんだか、トカゲのしっぽ切りに似ていますね。
それにその切ってなくなってしまった部分の足ですが、なんと、次の脱皮で生えてくるんです!
再生する方法が違いますが、ここでもトカゲに似ていますね。
トカゲと同様の「防衛方法」ということなのがわかります。
ゲジゲジが一匹いたら繁殖している?
ゲジゲジが餌としているものは、クモやムカデということは先ほどお話しました。
では、次に「ゲジゲジがよく出る場所」はご存じでしょうか?
ゲジゲジは、ほこりがよく溜まっている倉庫などを好みます。
また、暗くてジメジメしたところも好むため、石の下や落ち葉の下、草むらや洞窟にも生息しています。
家では、床下やお風呂場かと思います。
餌としているものが外にいない場合、食べ物を探して室内へ侵入してくることがあります。
これが、ゲジゲジを家の中で見ることの原因というわけです。
では、一匹いたらどういうことなのかを詳しく見てみましょう。
一匹いたら他にもいるの??
皆さんご存じ、「ゴキブリは一匹いたら他にも100匹以上はいる」と言われていますよね。
ゲジゲジはというと、普段は外で餌を探していて、家の中で見るゲジゲジは「餌を探しているうちに迷い込んでしまった」と考えるのがいいでしょう。
「一匹いたら家の中で繁殖してしまうのでは?」と心配になる方もいらっしゃると思います。
ゲジゲジは畑などの土があるところで卵を産みます。
なぜかというと、ゲジゲジは産卵の後、卵が乾燥しないように、土をかけて卵を守るためです。
なので、土がない家の中では繁殖はしないので心配はありません。
ですが庭や床下などは土があるため、そちらで繁殖をしてしまうということはあります。
そのゲジゲジが家の中に入ってこないようにするために対策は必要とはなります。
侵入経路とは
ゲジゲジは地面を歩き回っているため、ドアの隙間や窓、壁を這い上がって換気扇の隙間などから、侵入をしてきます。
一匹いたら「この一匹だけ退治したら大丈夫」と言いたいものですが、隙間があるということは…。
もうわかりますよね。
そう、「一匹いたら中にはいない」ゲジゲジでも、外にいるゲジゲジが「侵入できる隙間がある」ということです。
これでは退治しても意味がないですよね。
そこで、まずゲジゲジが一匹いたら、侵入経路を突き止めてみましょう。
玄関であれば、すぐにドアを閉める。
隙間があれば、その隙間を塞ぐようにしましょう。
また、家の周りにゴミや廃材などがあるとゲジゲジは集まってくるので、それらも全て取り除くようにしましょう。
ゲジゲジは季節関係なく活動をしていますが、暖かい季節である、6月~9月が特に活発に活動をしています。
暖かい季節のうちは、餌にも困らないのか、家の中で見つけるということはあまりないですね。
寒い冬の季節になると、餌となる昆虫がいないのか、家の中に迷い込むゲジゲジが増えてきます。
なので、特に冬は家の隙間などを注意してみておく必要があります。
家にいるゲジゲジ
上記でもお話ししたように、家の中で見かけるゲジゲジは、外に餌がなく、餌を求めて家の中へ迷い込んできたと考えましょう。
玄関のドアが開いている隙に侵入してくることがあるため、必ずしもどこかに隙間である穴が開いているとは言えません。
数日経ってもいる、逃がした後や駆除の後にもまたいる、ということであれば、家の中にいる餌となる虫がたくさんいるということになります。
ゲジゲジの駆除よりも先に、そちらの駆除や対策をしましょう。
庭や家の周りなどにいるゲジゲジ
一匹だけなら、お隣さんや違うところから迷い込んできたのかなと思えますが、数匹見つけた場合はまた違います。
数匹いるということは、床下や庭などにゲジゲジが卵を産んでいる可能性があるということです。
ゲジゲジは1度の産卵で、およそ100~300個の卵を産み、15~20日ほどで孵化します。
孵化をしたからと言って、「その家に住み着くのか?」という疑問ですが、それはありません。
餌となるクモなどが家の周りや家の中などにいなくなると、ゲジゲジは勝手にどこかへ行ってしまいます。
これは、ゴキブリとは違うので一安心しますね。
ゲジゲジの幼体は4対8本の足を持っており、成体とは違います。なので、初めて見たときはぱっと見はありのようにも見えますが、長い足に変わりはなく、よく見ればゲジゲジだと分かると思います。
ゲジゲジが一匹いたら駆除はどうしたらいいのか
では実際にゲジゲジを家の中で発見した場合、どうしたらいいのかをみていきましょう。
できれば駆除をするよりも、そっと外へ逃がしてあげることが得策かと思われますが、どうしてもという方は少しだけご紹介します。
ここで紹介する駆除する方法は、「燻煙剤」「凍らせる」「誘引殺虫剤をまく」です。
燻煙剤
家の中に一匹いたのに、どこかに逃げてしまった、または、いるかもしれないから先に対策をしたい、という方に、有効かと思います。
湿気の溜まりやすいクローゼットのドアを開けて、燻製剤を使用しましょう。
凍らせる
これは、直接噴射をして凍らせる方法となります。
ゴキブリにもこういう殺虫剤はありますが、ゲジゲジの場合は殺虫剤を使用していません。
なので、室内で使用しても大丈夫なもので、お子さんやペットがいるご家庭でも安心して使用ができます。
誘引殺虫剤
これはゲジゲジ以外の虫にも効果があり、地面を這って歩く虫が家の中に入れないようにするため、家の周りにグルっと撒くものとなります。
これを撒いていれば、少なくとも外を歩いているゲジゲジが家の中に侵入してくることは防げそうですね。
「一匹いたら他にも…」という心配も少なくなりそうです。
駆除をしない場合
上記に駆除の仕方を少しだけ載せましたが、ゲジゲジは益虫というのもあり、「人間には害のない虫」です。
家の近くにいる、家の中にいるということは、ゲジゲジの餌となるクモや小さな昆虫がそこにいるということです。
一匹いたら、そのクモなどを食べてくれるため、ほうきやチリトリなどを使って、そっと外へ逃がしてあげましょう。
ですが、じゃあ「駆除をしたらクモなどが増えてしまうの?」という疑問が出てくると思いますが、それは十分にあると思います。
なぜなら、クモなど今まであまり見ることのなかった理由の1つとして「ゲジゲジが餌としていたから」かもしれないからです。
家でゲジゲジが増えた場合は、家の中に餌となる虫が増えた可能性があるため、そちらの対策をしましょう。
上記でもお話ししましたが、ゲジゲジは土があり湿気があるところを好むため、産卵も同様、土のあるところでします。
なので、「一匹いたら家の中で増えるのではないか」ということについては、例外を除いてほとんどありません。
もちろん、家の中に餌となる虫がいなくなると、自然とゲジゲジもいなくなるので、安心してください。
まとめ
- ゲジゲジは「益虫」と呼ばれる
- 少し毒はあるが、臆病で足を切って逃げる
- 一匹いても家の中に他にいる心配はないが注意は必要
- 一匹いたら、餌となる虫への対策もする
見た目から避けられてしまう「ゲジゲジ」ですが、実はクモなどを食べてくれる益虫と呼ばれるいい虫だったのですね。
また「一匹いたら他にもたくさんいるのではないか」という心配についても、ただ一匹が迷い込んできてしまっただけというのがわかり、少しホッとしています。
もし、ゴキブリのように、ゲジゲジも一匹いたら100匹以上いるのだとしたら、家具などを動かすのも、寝るのも怖くなってしまいますね。
「一匹いたら他にはいない」といっても、生息場所が家の近くや床の下などなので、絶対にいないと言い切れないことについては、どこの家の中に侵入してもおかしくないのには変わりはありません。
侵入してこないように隙間を見つけて塞いでおく、作らないようにしなくてはいけませんね。
また、ゲジゲジ以外の虫にも対策が必要なことも、今回のことで知ることが出来ました。
小さなお子さんがいらっしゃる方は特に、ムカデやヤスデにも合わせて触ってしまわないように注意が必要なので、今1度、対策をしながら、楽しく過ごしましょう!
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