梅雨時や台風の多い時期、頭痛や肩こり、だるさなど体の不調を感じていませんか?
それは「気象病」かもしれません。
気象病は天気痛とも呼ばれ、昔から「雨が降ると古傷が痛む」など痛みを感じる症状が出やすく、特に頭痛を感じる人が多いと言われています。
そんな気象病の頭痛にはコーヒーが良いんですよ。
コーヒーに含まれるカフェインが気象病頭痛の原因に働きかけてくれるので、症状がやわらぎます。
ただし、飲みすぎやカフェイン中毒になってしまっては本末転倒、体に良くありません。
そこで今回は、気象病の頭痛に対するコーヒーの効果的な飲み方と、気象病のつらさを解消する方法を徹底解説します。
気象病の頭痛にはコーヒーを飲む
気象病は気圧の変化が原因で起こる体の不調です。
雨雲が近づいてくると古い傷が痛んだり、肩こり、頭痛、吐き気、うつ症状が出たりします。
中でも頭痛になる人は多いです。
コーヒーを飲むと、カフェインの作用で、この気象病による頭痛が解消すると言われています。
血管を収縮させる
気象病の原因は低気圧です。
いつもより体にかかる圧力が低くなったことで、血管がふくらんで、神経を圧迫してしまうのです。
脳の血管がふくらむと頭痛が起こります。
コーヒーを飲むことで、カフェインがふくらんでいた血管を収縮させ、この痛みをなくしてくれます。
利尿作用で余計な水分を出す
寒暖差や気圧の変化で自律神経が乱れると、体内の水分バランスが崩れます。
汗やリンパ液などの水分が溜まってむくみが生じ、血液の流れが悪くなり、血管は余計にふくらんでしまうのです。
カフェインには利尿作用があります。
コーヒーを飲むと、余計な水分を尿として体外へ出すことができ、むくみの解消になります。
交感神経の働きを高める
気圧の変化による自律神経の乱れは、交感神経と副交感神経にも関係しています。
本来、交感神経が働かなくてはいけない時間(例えば朝起きるとき)に副交感神経が優位となり、体がしゃきっとしない、だるい重いと感じてしまいます。
コーヒーのカフェインは交感神経の働きを高めるので、気象病による体のだるさが解消されます。
気象病でコーヒー以外の低気圧対策
気象病の原因は低気圧だと前述しました。
低気圧がなぜ体の不調につながるのかというと、それは自律神経が関係しています。
自律神経は身体を正常な状態に保つために、備わっている機能です。
内臓を動かしたり、呼吸や血のめぐり、消化などをコントロールしています。
例えば、私たち人間は寒くなると体がぶるぶる震えて熱を生み出そうとし、暑いと汗を出して体温を下げようとしますが、意識しなくても体が勝手に反応します。
それは自律神経が正常に働いているからなのです。
この自律神経は、気温や気圧の変化に影響を受けやすい特性があります。
そして台風接近時など気温や気圧が急に変化するとき、自律神経は過剰に反応してしまうのです。
気象病は女性がなりやすい
気象病による頭痛は、女性の方が男性よりも悩まされる傾向にあります。
一説には女性は男性の4倍頭痛になりやすいと言われ、頭痛外来の患者さんの男女比は3:7で圧倒的に女性の方が多いそうです。
女性には月経があり、ホルモンバランスの変化が多いです。
その分、男性よりも自律神経がたくさん働いているので、低気圧に反応しやすいとされています。
特に月経中や更年期の女性は、気象病になりやすいので注意が必要です。
気象病による頭痛はしんどいけれども、コーヒーなどのカフェインは取りたくない人も中にはいるかもしれません。
月経中コーヒーを飲むと血管が収縮して全身が冷えてしまい、生理痛がひどくなることもあるからです。
気象病頭痛の対策としてコーヒーが取れない場合、痛む箇所だけを保冷剤などで冷やすと緩和されます。
また、耳をマッサージする方法もあります。
気象病のときは耳をマッサージ
低気圧になると、耳周りの血液やリンパ液の流れが変化して、内耳がむくみます。
すると内耳の中にある気圧の変化を感じるセンサーが敏感になり、気象病を引き起こすのです。
内耳のむくみを解消するために、耳をマッサージしてみましょう。
- 親指と人差し指で両耳をつまみ、上・横・下にそれぞれ5秒ずつ引っ張る
- 耳を軽く横に引っ張りながら、5回ほどくるくるゆっくりとまわす
- 耳を上下から包むように折り曲げ、5秒キープする
- 手のひらで耳全体を覆い、円を描くようにゆっくりと5回まわす。
これを1日3回、朝昼晩におこなうと効果的です。
気象病を予防するための習慣
気象病による頭痛、できれば発症したくはないですよね?
コーヒーを飲むなど、頭痛が起こってからの対策もありますが、予防のためにもできることがあります。
それは「自律神経を整えること」です。
- 十分な睡眠をとる
- 起きる時刻を一定にし、朝日を浴びる
- 適度な運動をする
- バランスの良い食事をとる
特に「適度な運動をする」は大切です。
「適度な運動」とはじわっと汗をかける程度でOKです。
例えば、しっかりラジオ体操をおこなう、早歩きをするなど自分にできる範囲でかまいません。
運動を習慣にして汗をかけるようにすると、普段から余分な水分をため込まない身体づくりができます。
低気圧にさらされても、脳の血管がむくむのを防げるので、気象病による頭痛の発症も抑えられます。
気象病対策のコーヒーで吐き気?!
気象病による頭痛への対策としてコーヒーを飲むことをおすすめしましたが、大量にがぶ飲みすれば良いというわけではありません。
適正な量を適切なタイミングで飲むことで、気象病の頭痛にも効果を発揮します。
コーヒーは1日3杯まで
健康な成人で1日あたりのカフェイン適正量は400mgとされています。
コーヒーのカフェイン量は100mlあたり60mgです。
コーヒーカップ(150ml)で4杯程度、マグカップ(200ml)で3杯程度にしておきましょう。
カフェインをとり過ぎると交感神経が刺激され続けるため、副作用が出ます。
また、カフェインは胃を刺激して胃酸を分泌させるので、とり過ぎると胃が荒れ、ときには吐き気をもよおします。
頭痛は血管の収縮と拡張を繰り返すことでも引き起こされます。
コーヒーを飲みすぎると、血管収縮から血流が悪化し、身体は血流を良くしようと血管を拡張させるので、かえって気象病による頭痛の悪化を招きます。
また、妊娠中の人はカフェインが胎児の発育不良を引き起こすので、低体重出生児や流産につながりやすく、できるだけコーヒーは飲まない方が良いです。
つわりで吐き気がひどいときには何も口にしたくないと思いますが、つわりが治まった後で気象病の頭痛が起こることもあります。
どうしてもコーヒーを飲みたい場合は、1日当たりマグカップ2杯までにしておきましょう。
1杯目は朝10時に
アメリカ軍保健科学大学の神経科学者スティーブ・ミラー氏によると、起きてすぐのコーヒーは覚醒の妨げになります。
脳を覚醒させる働きがある「コルチゾール」というホルモンの分泌を悪くするからです。
コルチゾールは糖、脂肪、タンパク質の代謝にも関与しているので、食事時である朝8時~9時、昼12時~1時、夕方5時半~6時半に分泌されます。
その時間帯にカフェインをとって体を目覚めさせてしまうと、コルチゾールの分泌が減ります。
結果的にカフェインなしでは脳が覚醒しにくい身体になり、カフェイン中毒になってしまうのです。
カフェイン中毒を避けるためにも、1日の初めに飲むコーヒーは朝10時頃が最適だとされます。
最後の1杯は寝る4時間前まで
カフェインの覚醒作用はコーヒーを飲んでから4~5時間は続きます。
(カフェインはとってから30分~1時間後に血中濃度がピークとなり、3~5時間後に半減すると言われています。)
夜飲んでしまうと体が休息モードにならないまま布団に入ることになり、十分な睡眠をとることはできません。
そうすると自律神経が乱れ、気象病頭痛が起こる原因にもなり本末転倒です。
最後の1杯は寝る4時間前までに飲むのが理想です。
まとめ
- 気象病の頭痛にはコーヒーを飲むと良い
- 気象病の頭痛でもコーヒーが飲めない場合は、耳をマッサージする
- 気象病の頭痛対策でコーヒーを飲むときは、カフェインのとり方に注意
梅雨時や台風の多い季節、気象病を患っていると本当に大変ですよね?
平気な人には全く理解されないし、とにかくしんどいと思います。
そんなときはコーヒーを1杯用意してください。
カフェインの作用をうまく利用して、気象病による頭痛を上手に乗り越えていきましょう。
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