辻利兵衛本店、辻利、祇園辻利。抹茶で有名な店ということは知っていても、あなたには、これらの違いがわかりますか?
辻利より都路里!
都路里さえ知っていれば、生きていくのに困らないわ!
こらこらこら…呆
だって、これだけ似た名前があるってことは、正統だの本家だのって争っているんじゃないの?聞きたくないよ～。
辻利のさまざまな名前の背景には、いったい何があるのでしょうか?
辻利、辻利兵衛本店、祇園辻利は、争ってはいないけれど、違いはありますよ。
辻利兵衛本店と都路里には行ったことがあって、違いは感じたよ。私の経験をもとに伝えていくね!
辻利兵衛本店と辻利と祇園辻利の違いは??
辻利兵衛本店と辻利、そして祇園辻利の違いは何なのでしょうか?共通するのは「辻利」というキーワードですね。
これらはブランド名であり、それぞれに会社も設立しているのですが、創業はすべて、初代・辻利右衛門が創業した1680年となっています。
つまり、源流はひとつで、そこに違いはありません。本家を継承しているもの、本家から分かれた分家、のれん分けを認められ独立したところ、という違いなのですね。
辻利兵衛本店に「本店」がついているってことは…?でも辻利は正式には京都宇治総本家辻利で「総本家」がついてるし…?!
落ち着いて。辻利兵衛本店、辻利、祇園辻利。ひとつひとつ違いを確認していきましょうね。
辻利兵衛本店ではなく辻利が総本家!!
京都の老舗のお茶やさん。京都生まれ、京都育ちの私も、詳しい知識はまったくありませんでした。
はっきりしているのは、都路里のパフェが大好きということだけ笑
本店と名のつく「辻利兵衛本店」と、「辻利」で知られている「京都宇治総本家辻利」。いったい、どちらが本家なのでしょうか?
本家は、その名の通り「辻利」です。ブランド名は「京都宇治総本家辻利」。
辻利兵衛本店は分家です。
元となる方が本家。分離したのが分家。相対的な呼び方なので、分家をくり返すと本家も増える。大元を「総本家」と呼んで区別します。
会社としては、昭和25年に設立された「辻利一本店」です。
辻利(辻利一本店)は、日本茶のメーカーです。卸売業を中心としていますので、全国の茶専門店や菓子メーカー、商社とも取引をしています。
ポチップ抹茶ミルクは買ったことがあるよ!
おうちで手軽に、ほろ苦くて甘い抹茶が楽しめるんだよね。
卸売業が中心なので、家の近くのスーパーでも商品を買い求めることができます。生活に手軽にお茶や抹茶を取り入れられる商品が、たくさんありますね。
2007年には、JTと、ペットボトルの宇治抹茶入り緑茶を共同開発させていただきました。
明治からは“辻利シリーズ”として、「お濃い抹茶チョコレート&クランチ」などのアイスクリームがたくさん出たね。
専門店は、国内に5店舗。宇治本店、東山四条通りにある京都店、京都タワー店、新大阪駅や那覇空港の中にありますよ。
京都宇治総本家辻利の喫茶
宇治本店と京都店には喫茶があります。
コンセプトの違いをはっきりと打ち出しているため、ぜひそれぞれを訪れて、異なる世界観を堪能したいものですね。
辻利宇治本店 茶房 … こだわりのお茶づくし、伝統とモダンの融合
辻利京都店 カフェ … 抹茶の新感覚体験
辻利兵衛本店と都路里の茶寮には行ったことがあるけれど、ここは未体験エリア。チェックしに行かなくっちゃ!!
「茶房」と「カフェ」の違い、とくとごらんあれ。
辻利兵衛本店は辻利の分家で宇治本店茶寮は必見!!
辻利兵衛本店は、辻利の分家にあたります。
本家の2代目・豊次郎さんの娘の家系ということです。
本家の初代・辻利右衛門が、父である山崎屋利右衛門の名前から、山と利をとった、商魂「やまり」の屋号。
辻利兵衛本店は、今日まで継承しています。
商魂(しょうこん)とは、商売を繁盛させようという気構えのことですよ。
“山ほど利益を上げるぞ!!”ってことなのかしら。
取り扱い商品として、緑茶、抹茶、玉露などの宇治茶はもちろんのこと、オーガニック(有機栽培)のお茶にも力を入れています。
お茶に限らず、これでもかと抹茶を生かした美しいスイーツも多数販売されているんです。
辻利兵衛本店の物販店は、国内の百貨店や商業施設を中心に、以下の9店舗。喫茶を併設しているところも多くあります。
北千里マルイ、そごう千葉店、ラゾーナ川崎プラザ(※)、ジョイナス横浜、神戸阪急、ららぽーとEXPOCITY(※)、阪急うめだ本店(※)、阪急梅田駅(※)、博多阪急。
(※は喫茶なし)
さらになんと海外へも!アメリカのロサンゼルスに出店しています。
辻利兵衛本店は海外にまで進出してるんだ!とっても誇らしいなあ。
このうち、阪急梅田駅とロサンゼルス店では、宇治抹茶生ソフトをテイクアウトすることができますよ。
辻利兵衛本店の宇治本店茶寮
唯一の路面店は、本店である京都宇治本店のみ。本店と、併設する宇治本店茶寮の風格は、全国の辻利の中で右に出るところがないでしょう。
宇治市の閑静な住宅街に、築100年の建造物をリノベーションした辻利兵衛本店、宇治本店茶寮がたたずんでいます。2016年に開店しました。
その昔、ここは製茶工場だったのですよ。
ぜいたくにテーブルや椅子を配置した、広々とした空間です。
照明を落とした室内から、光あふれる庭の緑を眺めていると、ぺちゃくちゃおしゃべりするのも少しはばかれるような雰囲気…。
ひそひそ話しちゃった!でも、本当に辻利兵衛本店の宇治本店茶寮は素敵なの!
石臼挽き宇治抹茶から、オリジナルのグラスにワインのように注がれた玉茶、ぜんざい、パフェ、ほうじ茶のわらび餅まで、幅広く取りそろえられています。
パフェは、「ぱふぇ」って表記されているんだよね。
オンラインショップでも、お茶とスイーツを取りそろえています。
各種贈答にぴったりな、商品のラインナップも充実していますよ。
ポチップ
ポチップ辻利兵衛本店に引けを取らない祇園辻利と茶寮都路里!!
京都宇治総本家辻利や、辻利兵衛本店の魅力をお伝えしてきましたが、最後に「祇園辻利」についてお伝えしていきましょう。
「都路里」とは、祇園辻利の茶寮の名前です。
祇園辻利は、のれん分けによって誕生しています。終戦後の1948年に開店し、翌1949年に会社を設立しました。
のれん分けとは、よく勤めた従業員が店を出すことを許可されたもの。血縁がない場合が多いけれど、祇園辻利は親戚関係です。
祇園辻利を開店したのは、1860年創業の初代・辻利右衛門の弟である三好徳次郎の息子、三好徳三郎。
のれん分けする前、三好徳三郎は、台湾の支店を40年間も任されていました。
台湾で宇治茶を広めながら、紅茶やウーロン茶にも関わり、台湾茶の開発にも大変した人です。
三好徳三郎さんは、才覚もエネルギーもある人なんだろうな。
販売店舗は3店舗。祇園本店、京都駅八条口店、東京スカイツリータウン・ソラマチ店です。
取り扱い商品は、抹茶、各種お茶、お菓子。アイスも人気です。
祇園辻利のお菓子は、かしこまらず、チョコレートや飴など、手軽に口に入れられるものも多いように思います。
それから、“抹茶コスメ”なんていうジャンルもあるんですよ。
抹茶リップに、抹茶・煎茶・ほうじ茶の「TEA SOAP」…お茶の香りで、心が落ち着きますよ。
コスメなど、辻利や辻利兵衛本店にはない分野を切り開いています。
祇園辻利の茶寮都路里
祇園辻利の茶寮は「都路里」と名付けられ、1978年に京都・祇園で営業を開始しました。
京都の「都」、四条大路の「路」、
茶の里の「里」の字をあてています。もちろん茶の里は宇治ですね。
舞妓さんにも人気を博し、市民にも愛され、都路里は外国人観光客にも知られる喫茶になりました。
都路里の存在は、祇園辻利を世に広めることとなったのです。オープンからもう40年以上になる老舗なんですね。
私は20年以上通っているけど、この都路里を超える抹茶パフェはどこにもないよ!
都路里を超えるパフェがないかと、本当に、あちこちの抹茶パフェを食べてきました。
パフェって、初めはおいしくても、半分を越えたあたりからペースダウン、飽きたり、気持ち悪くなってしまうことはありませんか?
最後まで気持ち悪くならない抹茶パフェ、最後まで飽きさせない抹茶パフェ、食べ終わって、もうひとつ注文したくなる抹茶パフェは、都路里だけです。
ほんとは教えたくないんだけど…食べるなら特選都路里パフェだよ!抹茶だけでなく、あんこもおいしいし!
お目が高いわ、ねむこさん。
飽きのこない種類豊富なスイーツがおさめられ、ひとつひとつ繊細に異なる食感、異なるお味、程良い量。
祇園辻利の茶寮、都路里は3店舗あり、祇園本店をはじめ、京都伊勢丹店、大丸東京店です。
1番のおすすめは祇園本店です。
2階にある茶寮までの階段には人が並び、行列は1階の店の外まで続きます。夏は暑く、冬は底冷えする京都でも、待ってしまう魅力があるんですよね。
暑い日も寒い日も、苦行を耐え抜いてからの店内とパフェは天国!!
都路里はJR京都駅の伊勢丹にも入っています。こちらでも、もちろん行列。冷暖房の効いた心地良い環境で待つことができますが、そのぶん天国は味わえませんよ。
重厚な辻利兵衛本店の宇治本店茶寮と、祇園辻利の茶寮都路里は、全く異なる雰囲気です。
決して広々とは言えない空間に、席数を多く配置し、隣との距離も近い。
店内は明るく活気があり、楽しいおしゃべりに花が咲いています。年齢層は若い世代もいて、様々です。
京都伊勢丹店は、伊勢丹にお買い物に来るマダムが多めなので、ややしっとり感がありますね。
祇園辻利といえば、数々のコラボレーション商品を打ち出しています。
2022年春にミスタードーナツから発売されたmisdo meets祇園辻利。第1弾も、第2弾も、おいしかった～。
祇園辻利にもオンラインショップがありますよ。
ポチップまとめ
- 京都宇治総本家辻利、辻利兵衛本店、祇園辻利とブランド名に違いはあれど、いずれも1860年創業を名乗り、源流は同じ
- 京都宇治総本家辻利(以下、辻利)は本家を継承
- 辻利は、辻利一本店を設立し、卸売業を中心に「辻利」のブランドでギフトから身近な商品まで幅広く手がける
- 辻利の喫茶は、コンセプトに違いのある2店舗
- 辻利兵衛本店は分家であり、伝統的なお茶を扱いながらスイーツにも力を入れ、喫茶のある物販店舗が最も充実している
- 辻利兵衛本店の喫茶に行くなら、重厚な京都宇治本店茶寮は必見
- 祇園辻利は、のれん分けによって誕生し、商品開発においてコスメなど独自の路線を開拓、違いを感じさせる
- 茶寮都路里に行くなら祇園本店がおすすめ
ふー、良かったぁ、骨肉の争いじゃなくって…。
争うどころか、すべての始まりである創業1860年を共有し、互いに切磋琢磨しております。
守破離の精神を大切に、美味しいお茶、それを活かしたスイーツ、さらには新たな道を追究しているブランド達だったんですね!
もうあなたは違いのわかる女(男)!
何倍にも辻利系列ブランドを楽しめることでしょう。
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