履歴書や工期の期間をあらわす際に、使われる「自」と「至」の意味はご存じですか。
普段の生活では、あまり使いません。
しかし、「自」と「至」は、履歴書や損益計算書に表記されています。
「自」と「至」は、ある特定の期間や区間をあらわします。
- 「自」と「至」の意味が分からない
- 「自」と「至」の読み方を知りたい
- 履歴書に「自」「至」を使う書き方が知りたい
- 決算報告書に「自」「至」を使う書き方が知りたい
- 「自」「至」を言い換え方を知りたい
こちらの記事は、このような「自」「至」にまつわる悩みを解決するための記事となっています。
では、「自」「至」の意味や具体的な使い方を、解説していきます。
「自」「至」の意味や読み方は?
「自」「至」は、特定の期間や区間をあらわします。
「自」は、みずから、おのずからという意味があります。
「至」は、終着点という意味があります。
自令和4年7月1日至令和4年12月31日
こちらは、令和4年7月1日から令和4年12月31日までの期間をあらわしています。
自令和4年7月1日至令和4年7月1日
こちらは、令和4年7月1日終日という意味になります。
また、区間をあらわす際にもよく使われます。
自東京駅至博多駅
こちらは、東京駅から博多駅までの区間をあらわしています。
ですが、「自」「至」は、区間をあらわす際に使うので「自東京至福岡」とはあまり使いません。
これでは距離をあらわしているのか場所をあらわしているのか分かりませんよね。
場所をあらわす際は、具体的な地名や路線などを補足する必要があります。
表記はとても難しそうに見えますが、意味は難しくはありません。
履歴書や工期表示などの期間や区間をあらわす際に数多く使われています。
「自」「至」の意味が分かったところで、読み方も覚えておきたいですよね。
「自」は、「じ・より」と読みます。
「至」は、「し・いたる」と読みます。
「より・いたる」は、会話表現として使われます。
「自令和4年7月1日至令和4年12月31日」の場合
- 令和4年7月1日より令和4年12月31日いたる
「自東京駅至博多駅」の場合
- 東京駅より博多駅いたる
会話表現としては「より・いたる」を使います。
漢字としては「じ・し」と読みます。
また、熟語として「自至」とはあらわさないので注意が必要です。
履歴書の「自」「至」の意味は?
履歴書には、学歴や職歴を書く欄に「自」「至」があらかじめ記載されているものがあります。
履歴書上では、どういう意味になるのでしょうか。
学歴であれば、入学、転入が「自」にあたります。
卒業や転出、退学が「至」にあたります。
また、「自」「至」と記載されている履歴書には、「入学・卒業・転入・転出・退学」の文言は書きません。
「自」「至」の表記が、文言の代わりとなるので意味が重複してしまいます。
「自」「至」と記載されている履歴書には、入学などの文言を書かないように気をつけましょう。
いまだ、学歴や職歴が継続している場合も注意しましょう。
「至」は、終着を意味します。
そのため、在学中や在職中の場合は「至」には年月日を記載しません。
年月日は記載せずに、学歴や職歴の本文内に「在学中」や「在職中」と補足しましょう。
工期の「自」「至」の意味は?
看板に工期を掲示する際にも、「自」「至」が使われます。
工期を掲示している場合の「自」「至」は、どのような意味なのでしょうか。
「自令和4年7月1日至令和5年3月31日」と掲示されている場合は、令和4年7月1日より令和5年3月31日までが工期という意味になります。
令和5年4月1日には、工期がすでに終了しているので、閉鎖や封鎖もとけているでしょう。
意味が分かれば、工事がいつ始まりいつ終わるのかかんたんに把握できますね。
損益計算書の「自」「至」の意味は?
確定申告で青色申告する際にも、損益計算書に「自」「至」と表記されている箇所に日時を書かなくてはなりません。
損益計算書の右上に「自〇月〇日至〇月〇日」と記載されています。
損益計算書の「自」「至」は、確定申告したい対象期間を意味します。
所得が初めてあった日を意味しませんので、注意しましょう。
あくまで、事業を開始した日が「自」に当てはまる期間となります。
1月1日〜12月31日までの一年間を通じて事業をおこなったなら、青色申告する際の対象期間は1月1日〜12月31日です。
令和4年3月15日に確定申告する際の対象となる期間は、前年令和3年1月1日〜令和3年12月31日です。
しかし、1月1日〜12月31日の一年間に開業や廃業があった場合は、注意が必要です。
開業があった場合
- 事業開始日が「自〇月〇日」
廃業があった場合
- 事業終了日が「至〇月〇日」
一年間に開業や廃業がある場合は、「自」「至」が意味する期間に注意して記入しましょう。
「自」「至」には西暦と和暦どちらを使うのか?
履歴書に「自」「至」と表記されている場合は、西暦と和暦のどちらを使えばいいのでしょうか。
履歴書の学歴や職歴欄は、西暦と和暦のどちらを使っても問題ありません。
ですが、どちらかに統一して使うようにしましょう。
また、「自」「至」に和暦を使う際は、必ず年号を記載しましょう。
分かりやすいように西暦と和暦の早見表を作成しました。
履歴書や工期、損益計算書の「自」「至」欄に年月日を書く際に、ぜひご活用ください。
昭和40年 | 1965年 | 昭和60年 | 1985年 | 平成16年 | 2004年 |
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昭和42年 | 1967年 | 昭和62年 | 1987年 | 平成18年 | 2006年 |
昭和43年 | 1968年 | 昭和63年 | 1988年 | 平成19年 | 2007年 |
昭和44年 | 1969年 | 昭和64年 | 1989年 | 平成20年 | 2008年 |
昭和45年 | 1970年 | 平成元年 | 1989年 | 平成21年 | 2009年 |
昭和46年 | 1971年 | 平成2年 | 1990年 | 平成22年 | 2010年 |
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昭和51年 | 1976年 | 平成7年 | 1995年 | 平成27年 | 2015年 |
昭和52年 | 1977年 | 平成8年 | 1996年 | 平成28年 | 2016年 |
昭和53年 | 1978年 | 平成9年 | 1997年 | 平成29年 | 2017年 |
昭和54年 | 1979年 | 平成10年 | 1998年 | 平成30年 | 2018年 |
昭和55年 | 1980年 | 平成11年 | 1999年 | 平成31年 | 2019年 |
昭和56年 | 1981年 | 平成12年 | 2000年 | 令和元年 | 2019年 |
昭和57年 | 1982年 | 平成13年 | 2001年 | 令和2年 | 2020年 |
昭和58年 | 1983年 | 平成14年 | 2002年 | 令和3年 | 2021年 |
昭和59年 | 1984年 | 平成15年 | 2003年 | 令和4年 | 2022年 |
「自」「至」を言い換えるには?
「自」「至」を言い換えるのは、どのように表現すればいいのでしょうか。
「自」「至」を言い換えたい場合は、「…から…まで」や「…~…」と表記するのが一般的です。
言い換えるにあたって表現方法が断定されているわけではないので、読み手が読みやすいように表記しましょう。
ですが、「自」「至」で期間や区間をあらわしている書類は、公的な書類が多いのが現実です。
書類を作成する際は、言い換えても問題がないか、あらかじめ確認しましょう。
まとめ
- 「自」「至」は、特定の期間や区間をあらわす際に使われる表現方法のひとつである
- 「自」「至」は、漢字として「じ」「し」と読む
- 「自」「至」は、会話表現では「より」「いたる」と読む
- 履歴書上では、「自」「至」が入学や卒業を意味する
- 工期をあらわす際は、「自」「至」が開始日と終了日を意味する
- 損益計算書上では、「自」「至」が確定申告する対象期間を意味する
- 「自」「至」を使う際は、西暦と和暦のどちらを使ってもかまわないが統一して使う
- 「自」「至」を言い換える際は、「…から…まで」「…~…」とあらわす
「自」「至」で期間や区間をあらわす表現方法は、難しいように感じます。
ですが、意味は難しくはありません。
公的な書類などを作成する際によく使われるので、社会人なら覚えておきたい表現のひとつです。
履歴書や損益計算書を作成する際に出くわしても、慌てずに作成できるようにしましょう。
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