プロテインといえばボディビルダーなど筋肉ムキムキの人が飲むイメージですよね?
実際、私の周りでもプロテイン愛飲者は、自宅にトレーニングマシンを置いているような筋トレが趣味のお兄様たちしかおりません。
しかし、そんなプロテインで置き換えダイエットしたら痩せた!との噂があるというのです。
「本当かしら?」と疑いながらネット検索してみると、たしかに「プロテインに置き換えで痩せた」との声が上がっています。
1か月で5㎏減、4か月で10㎏減、中には16㎏痩せたという報告もありました。
「プロテインって飲むとムキムキになるイメージだけど、痩せるなんてことあるの?」
私の周りのプロテイン愛飲者はプロレスラー体型の人ばかりで、モデルなみに痩せている人が見当たらないのですが…??
疑問を感じたので、今回は「プロテイン置き換えで本当に痩せたのか?!」を調べてみました!
プロテインに置き換えだけで痩せたはウソ?
プロテインの置き換えで痩せたという人の声を詳しく見てみると、衝撃の事実が判明しました。
なんと食事をプロテインに置き換えただけで痩せたという人はほとんどいません。
プロテイン置き換え+運動をした結果、痩せたというのです。
それもローラーを使った腹筋運動とかランニングとか結構ハードな内容の運動です。
さらに「最初はお腹が空いて眠れない」「今自分が欲しいものを食べたい欲求との闘い」という心が折れそうなコメントつきです。
プロテイン置き換えという言葉に対して「楽して痩せる」というイメージを勝手に持っていたのですが、そのイメージはもろくも崩れ去りました。
食べることを我慢して運動しなければならない…これでは普通のつらい、しんどいイメージのダイエットそのものではないですか!?
せめてプロテインを使う利点はないのでしょうか?
プロテイン置き換えその利点とは?
そもそもプロテインとは何なのでしょうか?
あのあやしい(失礼)粉の正体は一体何か、疑問に思ったことはありませんか?
(今はプロテインバーと呼ばれる固形のものや、ゼリー飲料や清涼飲料に含まれているもの等ありますが、ここでは昔からある粉状のプロテインをイメージしてください)
実は「プロテイン」は「タンパク質」の英語名です。
体をつくる栄養素として知られているあのタンパク質ですね。
プロテインは低カロリーで効率よくタンパク質を取るために開発された食品です。
植物性と動物性のものがあり、原材料は植物性が大豆、動物性が牛乳からできています。
アレルギーや乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹がギュルギュルする症状)がある人は注意が必要です。
ダイエットの基本は、摂取カロリー<消費カロリーです。
置き換えダイエットでは食事を低カロリー食に置き換えることで摂取カロリーを減らします。
しかし、やみくもに摂取カロリーを減らせば良いというものではありません。
必要な栄養が取れていないと、骨がもろくなったり、筋力や内臓の機能が落ちたりして体を壊します。
かつて流行したリンゴダイエットや朝食バナナダイエットでは栄養がかたよりがちになってしまいます。
その点、プロテインはタンパク質が取れるだけではありません。
中にはビタミンB群、葉酸、鉄分、カルシウムなどが配合されているものもあり、一度でバランスよく栄養補給ができる点がすぐれています。
普通の食事から同じ量の栄養を取ろうとすると、余計な脂肪分や糖分を取ることにつながります。
プロテインは、体に必要な栄養をカロリーをおさえながら取りたい、ダイエット向きの食品といえるでしょう。
プロテイン置き換えはおすすめできない!?
プロテインなら低カロリーで栄養も取れると聞くと、1日3食すべてを置き換えしたくなります。
痩せたいならなおさらです。
しかし、それはおすすめできません。
プロテインはあくまでも「栄養補助食品」であって、食事の置き換え用には作られていないからです。
世の中に数多くのプロテイン商品が出ていますが、パッケージに「1食置き換え」を表示しているのは某化粧品メーカーが出しているものだけです。
食事ぜんぶをプロテインへ置き換えるのは、一生涯続けるつもりがないなら止めた方が良いです。
極端なカロリー制限となるので、ダイエット中は痩せたとしても、普通の食事に戻したときにリバウンドする危険が高くなります。
また、別の危険性もあります。
プロテインの主な栄養素であるタンパク質は、体をつくる大切な栄養素です。
しかし、タンパク質を取りすぎるとそれを分解する肝臓に負担がかかる上、体内の窒素化合物が増えて、腎臓にも負担がかかります。
場合によっては病気を引き起こすかもしれません。
すでに腎臓に病を抱えていて、タンパク質制限がかかっている人にプロテインはおすすめできません。
プロテインを活用して痩せたという栄養士やスポーツトレーナーの人も、プロテインを食事に置き換えることはおすすめできないとしています。
あくまでも、ダイエットで減らした食事によって、取るのが難しくなった栄養をおぎなうために、プロテインは使うべきだというのです。
だからといって、炭水化物抜きダイエットをして、主食の置き換えにプロテインを取ることもよくありません。
主菜(メイン)に肉魚などタンパク質を持ってきて、主食をプロテインに置き換えてしまったら、タンパク質の取りすぎになってしまいます。
糖質、脂質、タンパク質は体に必要な栄養で、それぞれ適量があります。
厚生労働省が示す理想的なバランスは糖質50~65%、脂質20~30%、タンパク質13~20%です。
一日に必要なエネルギー総量成人女性1400~2000kcal、成人男性2000~2400kcalの中で、このバランスを考えた食事内容が大切です。
栄養バランスを崩すと体の機能が落ちる可能性があります。
糖質制限はしないほうがよい?
ここ数年、炭水化物抜きや糖質オフなどのダイエット方法が流行しているようです。
スポーツジムのトレーナーも、糖質はダイエットの敵だとして減らすことをすすめてきます。
たしかに糖質は取りすぎると体内で中性脂肪に姿を変えて貯蔵されるので、悪いものだというイメージがあります。
痩せたい人が敵視している糖質ですが、大切な栄養素のひとつです。
減らしすぎもよくありません。
たとえば脳のエネルギー源は、糖質からできたブドウ糖しかありません。
極端な糖質制限は、疲労感や集中力の低下を招きますし、悪化すると意識障害を引き起こします。
糖質は脳だけでなく、体のあらゆる臓器を動かすエネルギー源になります。
私たちの体は安静にしていても生命維持にエネルギーを使います。
糖質の摂取量が足りないと、生命維持ができなくなるため、体はタンパク質を分解してエネルギーに変えてしまうのです。
糖質不足はタンパク質本来の「体をつくるもとになる」機能を失わせます。
そのため糖質制限をすると、筋肉がつきにくくなり基礎代謝が低下するおそれがあります。
糖質は脂質の代謝にも関わっているので、制限するとかえって痩せにくい体をつくることになります。
でも、炭水化物抜きダイエットしたら痩せたよ!という人、要注意です。
必要な糖質が取れてないことで筋肉が痩せてしまった可能性があります。
体の機能も低下しているかもしれません。
実は炭水化物抜きダイエットをすると、便秘になりやすいことが分かっています。
原因は食物繊維と糖の不足です。
意外なことに炭水化物の中には食物繊維が含まれています。
炭水化物を抜くということは、それまで炭水化物で取っていた食物繊維がごっそり減ることを意味します。
腸内の善玉菌は食物繊維と糖をエサに増えるので、炭水化物を抜くと腸内環境が悪化し、便秘を引き起こすのです。
たかが便秘とあなどってはいけません。
便秘を放置したことで大腸がんを発症し、人工肛門になった人もいるのです。
不健康な体を手に入れるために、痩せたいわけではありませんよね?
健康的に痩せるためには、体の基礎をつくっておくことが大事です。
そのためには特定の栄養素を取らないようにしたり、逆に特定のものだけを取るのはNGです。
それは糖質だけではなく、脂質、タンパク質にもいえることです。
脂質もダイエットの敵だと思われがちですが、細胞膜を構成する、身体の機能や生理作用を一定に保つ、脂溶性ビタミンを体内に貯蔵するなど大切な役割を担っています。
タンパク質はご存じの通り、筋肉、皮膚、毛髪、爪、臓器、神経などをつくる成分となります。
タンパク質の1日当たりの推奨量は成人女性で50g、成人男性で65gとされていますが、3食しっかり食べてもなかなか取れない量です。
タンパク質摂取をプロテインに完全に置き換えるなど、頼りすぎるのはだめですが、食事で足りない分、プロテインを上手に活用できるといいですね。
ダイエットの成功には継続的な運動習慣(これがむずかしいのですが)と食事内容の改善がカギとなります。
プロテインに置き換えるならいつが良い?
食事1食分をまるごとプロテインに置き換えるのがおすすめできないなら、プロテインは一体いつ取ればいいのでしょうか?
スポーツトレーナーが痩せたい人にすすめているプロテインを取るタイミングは次の3つです。
- 朝食に足す
- 間食の代わりに取る
- 寝る2~3時間前に取る
1.朝食に足す
プロテインをいつ取るか?まず朝食についてです。
朝は忙しいですよね?
朝食が大事なのは分かるけど、ついパン1枚で済ませていませんか?
もしくは朝はまったく食べずに出てきたりしていませんか?
そんなあなたにピッタリなのが、プロテインを朝食にプラスする取り方です。
溶かすだけですぐ飲めるので調理に手間がかからず、食べる時間も短縮しながら栄養補給できます。
2.間食の代わりに取る
次に痩せたいといいながらついつい間食をしてしまう人、いますよね?
そんな人はお菓子の置き換えとしてプロテインを取る方法がおすすめです。
実はプロテインにはチョコレート、ココア、バニラ、ミルクティー、ミックスフルーツなど甘味を強く感じるようなフレーバーが多く出ています。
原材料である大豆や牛乳と相性が良く、飲みやすい味を追求した結果なのですが、これを利用しない手はありません。
激しい運動の後やダイエットで我慢を強いられたとき、反動で甘いものが欲しくなったら、甘い味のプロテインを取ればいいのです。
お菓子を食べるよりはプロテインに置き換えた方がカロリーがおさえられます。
3.寝る2~3時間前に取る
朝食も間食もプロテインを取ることはできない、タイミングが合わない、そんな人はいつ取ればいいのでしょうか?
夜、おうちに帰ってから取りましょう!
でも寝る直前にプロテインを取ってしまうと、内臓が休まなければならない時間に働かせることになって負担がかかってしまいます。
夜にプロテインを取る場合は、寝る時刻の2~3時間前がベストです。
その場合も、晩御飯をすべてプロテインに置き換えるのではなく、主菜(メイン)を減らして、その代わりにプロテインを足すイメージです。
お風呂上がりにお酒を飲む習慣がある人は、そのタイミングでお酒の代わりにプロテインを取るといいかもしれませんね。
寝ている間は成長ホルモンが分泌されるので、吸収されたタンパク質がお肌や爪、髪にも作用し、美容効果も期待できます。
痩せたい時のベストチョイスとは?
プロテインには大豆からつくった植物性のものと、牛乳からつくった動物性のものがあるといいましたが、痩せたい人はどちらを選べばよいのでしょうか?
実際にプロテインで痩せた栄養士の女性によると、大豆からつくった植物性のプロテイン=ソイプロテインがおすすめです。
理由はソイプロテインの方が消化が遅く、お腹が空きにくいからです。
牛乳からつくったホエイプロテインは分解・吸収のスピードが1~2時間程度ですが、ソイプロテインは吸収されるまでに5~6時間かかります。
量は1回あたり付属のスプーンで1~2杯、できあがり量300mlと一気飲みはちょっとむずかしいくらいがいいでしょう。
一気に飲めてしまうと物足りなくなって、さらに飲みたくなってしまいます。
そうするとダイエットのためにプロテイン置き換えをしている意味が薄れてしまいますからね。
粉末タイプのプロテインは基本シェイカーなどを使い液体に溶かして飲むものですが、痩せたい人は水か豆乳で溶かすのがおすすめです。
牛乳でもおいしいのですが、脂質が気になる人はやめてください。
ココア風味のプロテインを水とコーヒーでシェイクするとカフェモカ風でおいしい!との声もあがっています。
粉末タイププロテインにはお試しサイズが用意されていることも多いです。
おいしくないと続けるのはむずかしいと思いますので、ぜひ自分に合ったものを見つけてアレンジしてみてください。
また冬場は温かい飲み物に混ぜたくなるかもしれません。
しかし、60℃以上になると、プロテインに含まれるタンパク質が変質してしまいます。人肌に冷ましてからプロテインを加えた方がいいでしょう。
外に持っていくとき、プロテインのいかにもなパッケージが苦手、恥ずかしいと感じる女子もいるかもしれませんね。
かわいいものが好きなあなたにはこちらがおすすめです。
パッケージがシンプルでかわいいだけでなく、中身も女子にうれしい美容成分入りで、砂糖・人工甘味料不使用、グルテンフリーで安心です。
ここまで、プロテインに関するベストチョイスを見てきましたが、プロテインに置き換えれば必ず痩せるというわけではありません。
痩せたい人がプロテインを取り入れる以外に、生活習慣の中で無理なく置き換えれそうなことをいくつかご紹介します。
普段使っているものをかえてみたり、すでに習慣となっている行動を少し変えるだけでも痩せることにつながります。
プロテイン活用にこだわらず、あなたがやりやすい、あなたに合う方法でダイエットに挑戦してみてください。
まとめ
- プロテインに置き換えするだけで痩せた人はほとんどいない
- 食事のすべてをプロテインに置き換えることはおすすめしない
- プロテインを取る時間はあなたのベストタイミングでOK
プロテインは置き換えダイエットに利用するよりは、足りないタンパク質をおぎなう栄養補助食品として上手に活用しましょう。
短時間で劇的に痩せたい人にとって、プロテインはベストな選択とはいえないかもしれませんが、健康的に美しく痩せたい人にとってはプロテインは強い味方となります。
時間はかかるかもしれませんが、じっくり体と向き合って改善していきましょう!
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