現代社会では半数以上の人が少なからずストレスを抱えています。
過剰なストレスは、心身の不調へとつながり、重症化すると生活習慣病の危険因子ともなりかねません。
そうならないためにもストレスチェックを行い、職場でのストレスや悩みを解消しメンタルヘルス不調者を未然に防止する目的として行われています。
しかし、ストレスチェックを行っても、なかなか効果を感じられず意味ないという人がいるのも現状です。
ただストレスチェックを行えばいいだけではありません。
2015年12月より義務付けられたストレスチェックを、ただやるだけの意味ないものにしないよう、ストレスチェックの目的を知ることが重要です。
その目的は「予防」です。
下記では目的である「予防」に観点をあて、ストレスチェックが意味ないものにしないための解説をします。
ストレスチェックは意味ない理由とは
ストレスチェックを行うための目的は「予防」です。
予防とは、メンタルヘルス者にならないために行われる目的であり、この予防がとても重要になるため、ストレスチェックは意味ないわけではありません。
しかし、ストレスチェックを行っても、「ストレスは解消されない」「職場でメンタルヘルス不調者が減少した実感がない」という声があり、意味ないと考える人がいます。
その理由は、ストレスチェックを行う目的を理解せず、受ける労働者の割合が8割程度だったり、面接指導者の割合が低かったり、集団分析が活用できていなかったりなどが挙げられます。
メンタルヘルス者にならない予防としての認識と、職場環境の改善策も合わせて行うことが重要であり、ストレスチェックを意味ないもので終わらせないようにしましょう。
ストレスチェックの義務化は意味ない
厚生労働省は2015年に50名以上の従業員がいる職場では、年1回のストレスチェックを行う制度が義務化しました。
理由は、職場内で起きる精神障害がメンタルヘルス不調につながることが分かり、これを未然に防止する対策としてストレスチェックの実施が義務化されたということです。
しかし義務化されても意味ないと考える人が多くいます。
ストレスチェックを行い、あなたが抱えているストレスに気づくことができますが、これを企業がどう対応していくかで意味ないものが意味あるものへと変化します。
ストレスチェック制度とは、実施する準備から、実施、その後の措置を含めた一連の流れを運用する制度のことを言います。
しかし、現状では義務化されたにも関わらず、ストレスチェックは形ばかりになっていることが多いです。
簡単な質問票を配るだけの企業があり、それではストレス量しか把握できず、原因が把握できていないことがあります。
これでは時間とコストだけがかかり、何も分からないため、ストレスチェックを行っても意味ないのです。
正しい方法でストレスチェックを行うことで、従業員のストレス軽減と企業の改善と向上へとつながります。
ストレスチェックの正しい方法とは
ストレスチェックを行うための事前準備が必要です。
企業側は「メンタルヘルス不調を未然に防止するためにストレスチェック制度を実施します」ということを呼びかけます。
次に、企業内でストレスチェック制度の実施方法はどうするか話し合い、決まった内容を従業員へ知らせましょう。
話し合いの内容
- 誰にストレスチェックを実施させるのか
- いつストレスチェックを実施するのか
- ストレスチェックを実施するためどんな質問票にするのか
- ストレスが高い人を選ぶ方法はどうするのか
上記の4点などを踏まえて話し合い、まとめ、ストレスチェックの実施をしていきます。
従業員の記入が終わり次第、医師などが質問票を回収して、その結果を当事者にお知らせします。
結果の内容
- どれくらいのストレスを抱えているかの評価
- ストレス度の値は高いのか
- 医師の指導が必要なのか
上記の結果内容を踏まえて、ストレスが高い人を選び、医師との面談を行います。
面接になった時は他の人に知られたくないわ…
大丈夫です!
質問票は第三者や他の社員が見ることは禁止されているの。
また、結果が企業側に返ってくることもないから安心して!
結果通知を確認したい場合は、当事者の同意が必要になりますので、個人情報を勝手に入手することはできません。
面談指導を行ったら、業務上の対応策の必要性を企業側へ確認して、労働時間の短縮などの対応を行う必要があります。
また、ストレスチェックを行った企業は、労働基準監督署に報告書を提出する義務が設けられています。
忘れるとどうなるの?
この報告を怠った場合には、労働安全衛生法に基づき罰則を負わせられる可能性もありますので、報告書を忘れずに提出しましょう。
会社で行われるストレスチェックは意味ないの⁉
会社で年1回はストレスチェックを行うよう義務付けられましたが、行っても一向に改善されず、意味ないと考える人も多くありません。
会社によっては、ストレスチェックの実施のみか、結果を集計するのみで終わっている企業もあるのが現状です。
それでは、職場環境の改善に活用できていません。
なんのためにストレスチェックを行うの?
上記でもお伝えしましたが、ストレスチェックを行う目的は「メンタルヘルス不調を未然に防止する」することが大前提になり、意味ないものにしてはいけません。
その目的が「社員のストレス状況を会社側が把握するため」と認識されがちです。
しかし、真の目的は社員個人がストレスを抱えていることに気づき、職場環境の改善をすることです。
その結果が「メンタルヘルス不調を未然に防止する」ということにつながります。
知らずのうちにあなた自身がストレスを抱え込んでいる可能性はありませんか。
「あぁ、ストレスだわ~」と自分自身で気づいているのであれば、あなた自身でストレス解消法を見つけることができますね。
しかし、ストレスを抱え込んでいることも気づかない人もおり、溜め込み過ぎると「うつ」などのメンタルヘルス不調につながります。
自分でストレス溜まっていると思っても、実際、どの程度のストレス度なのか分からないわ。
そのため、自分のストレス状態を知ることができるのがストレスチェックなのです。
ストレスを溜め込み過ぎないようの対処法だったり、ストレス状態が高い場合は医師と面談をしたりして、アドバイスを受けます。
そして、職場に仕事の軽減などの対策を実施してもらったり、職場の改善につながったりすることで、メンタルヘルス不調を未然に防ぎましょう。
正しい対策をしないとストレスチェックを行っても意味ないものになりかねません。
「働く側」と「働く環境」の双方に対するストレス対策のため、会社で行うことは意味があるのです。
会社側は、社員個人のストレスチェックの結果を見ることはできません。
しかし、10人以上の集団ごとに集計結果を見ることができるため、分析・集計結果を受け取り、職場の環境を改善するよう努めましょう。
また、10人未満の集計結果は個人の特定がされやすいため、結果を見せてもらうことができませんので注意してください。
会社側が大切にしていただきたいことは、「社員にストレスを感じさせないこと」です。
ストレスチェックを行う以前に、日常的にストレスを感じさせないことが重要になります。
ストレスの量を把握するだけでは、改善策は生まれません。
義務付けられているのは年1回ですが、定期的に行うことにより、社員のストレス量が定期的に計測することができます。
業務内容は時期によって異なるケースがありますので、定期的に行うことで、どのような時にストレスを与えているのか、詳しい情報を得られることでしょう。
情報を元に何か問題点が分かった場合には、速やかに改善策を生み出せます。
メンタルヘルス不調を未然に防ぐための目的であるストレスチェックは、受けることを拒否する従業員がでないよう、何かしらの対策を準備する必要があります。
ストレスチェックを拒否する社員にはどうする?
「拒否する」と言うことは、何かしらの理由があるため、拒んでいるその理由を聞き、理解した上で受けてもらうよう促すことが大切です。
社員50人以上いる企業では、ストレスチェックの実施が義務付けられましたが、実は、社員には受ける義務はなく、また企業が社員へ受けるよう強制することはできません。
な~んだ!受けなくてもいいじゃん!!
確かに、受ける側の義務はありませんが、メンタルヘルス不調を未然に防ぐためにも、受けていただきたいのです。
そこで、ストレスチェックを拒否する社員に、メンタルヘルス不調を未然に防ぐために拒否せず受けてもらう対応方法をお伝えします。
上記でもお伝えしましたが、ストレスチェックを拒否すると言うことは、何からかしらの理由があるため、その理由をまず聞いてあげましょう。
主に、拒否する理由が考えられるのは、受けることで心理的ストレスか不安を感じるケースが多いです。
受けたくない理由を探り、対策することが重要になります。
まずは、話を聞いて不安を取り除くことが大事だね。
ストレスチェックとはどのような検査なのか、受けるメリットはなにか、結果はどのように管理されるのかを正しく伝えます。
そうすることで不安や心配を取り除き、受けることへの抵抗感を少なくさせましょう。
ストレス度の高い人が医師による面談指導を希望しない人の対応方法
ストレスチェックを行った結果、ストレス度が高いと判断されたあなたには、医師などによる面談指導を行うようにと勧めます。
しかし、これは医師などによる面談の機会を用意するだけで、該当者へ強制するものではありません。
しかし、ストレス度が高い結果になったあなたは、精神疾患を抱えるメンタルヘルス不調者となる傾向が高くなるので、医師などによる面談を受けるよう勧めます。
メンタルヘルス不調になる前に、面談を受けようね。
ストレスチェックを行った結果は、企業からあなたに直接通知されます。
その結果、ストレス度が高いと判断された場合、あなた自身で行動できる3つの対応策です。
- 医師などによる面談指導希望の申し出を会社に伝える
- 会社で設けている相談窓口のカウンセリングを受ける
- あなた自身で医療機関を受診する
医師などによる面談指導希望の申し出を会社に伝える
面談指導の申し出を会社に伝えるということは、あなた自身のストレス度が高い旨を会社に知られるということになります。
そのため、この行動はあなたの心理的ハードルが高くなるのが難点です。
会社側は結果により、人事上不利益な扱いの異動や解雇、降格などを受けることがない旨を会社全体の隅々まで話が行き届くようにしなくてはなりません。
結果を知って、不利益な扱いをされないか、不安な気持ちが少なからずあるもんね。
会社で設けている相談窓口のカウンセリングを受ける
この方法であなたが利用しやすいのは、外部機関のEAP企業のカウンセリングサービスを受けることです。
会社に知られず、匿名で相談ができるため、医師などによる面談指導を申し出ない選択肢として利用する方法もありますが、注意点があります。
会社がEAP企業の導入をしていないと利用できません。
少なからず誰もがストレス抱える社会において、会社に知られず相談できる窓口があると心の支えになりませんか?
会社勤めをしていると、上司に自分のストレスを相談することはなかなかできるものではありません。
かといって、同僚に打ち明けても、そのことがいつどこで漏れてしまうかという不安もあります。
EAP企業の導入がされていなくても、プライバシーが守られる窓口を利用するとよいでしょう。
あなた自身で医療機関を受診する
方法として、よく通院する病院などでメンタルヘルス不調について相談することです。
あなた自身で医療機関を選び受診するため、周囲に知られることがなくプライバシーを守りながら通院できます。
しかし、費用は自己負担になります。
まとめ
- ストレスチェックを行っても、効果が感じられず意味ないと思われる
- ストレスチェックをただ行うだけでは意味がない
- メンタルヘルス者にならない予防の認識と職場の環境を改善することが重要である
- 年1回のストレスチェックを行う制度が義務化された
- ストレスチェックは自分のストレス状態を知ることができる
- メンタルヘルス不調を未然に防ぐにためにストレスチェックを行う
- ストレスチェックの実施が義務化されたが、受ける側は強制ではない
メンタルヘルス不調を未然に防ぐ目的で行われるストレスチェックですが、この目的の意味を伝えないで、行っている会社も少なくありません。
年1回の義務化されたストレスチェックを行うことは強制ではありませんが、自分のストレス状態を知ることができるため、受けることをおすすめします。
そのためには、会社側がストレスチェック行う目的を明確にしましょう。
そして、ストレスチェックは意味ないものにしないよう、行うことで職場環境の改善へとつなげることが重要になります。
ストレス社会と言われている現代ですが、ストレスチェックを行い、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、職場環境の改善へとつなげていきましょう。
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